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とくしま発見

みみずに会いに行った誕生日

49日、(超私事ながら20代最後の誕生日でした)佐伯社長に連れられてお邪魔したのは小松島市にある株式会社豊徳さん。

豊徳は地元で採れるしいたけの廃棄菌床などを餌にミミズを養殖し、ミミズのふん土を利用した土壌改良剤を開発した世界屈指の企業です。

何故ミミズ?と思われるかもしれませんが、ミミズは以下の働きにより、土壌形成に重要な役割を担っているそうです。

 

    土を食べ、そこに含まれる有機物や微生物、小動物を消化吸収したうえで糞として排泄

    ミミズの糞は特に植物の生育に適した団粒構造の形成に大きな役割を果たしており

    ミミズふん土は良質な肥料や土壌改良剤として使用できる

 

「団粒構造」とは大まかに言うと、土が団粒としてある程度のまとまりによって形成されていること。そのため空気や水を通しやすく、保水性や通気性、排水性に優れています。未完熟有機物を食べたミミズが排泄した糞はその団粒構造を作り出し、その結果保水性や通気性、排水性という物理的特性に加え、有機態窒素や水溶性リン酸、様々な酵素や成長促進物質が含まれた土ができる、のだそうです。

進化論で有名な、かのダーウィンも晩年ミミズの土壌形成に果たす役割に注目し研究を行っていたといいますから、ミミズのふん土の知られざるパワーがうかがえますね。

日本ではどちらかというと嫌われもの?のミミズですが、海外では「アースワーム」(地球の虫)と呼ばれてとても有難がられているそう。

 

さて、小松島市と豊徳では、しいたけの廃棄菌床を用いたミミズの養殖→ミミズのふん土を肥料に土壌改良し→米や野菜生育に役立てる という循環型農業を推進しています。

実はしいたけの生産が日本一の徳島県。地元の素材を有効活用して、安全かつ安心な作物を届けよう、そして地元農業の活性化につなげようと生まれた取り組みです。

 

豊徳さんにお邪魔すると、ミミズ歴40年の大ベテラン、製造部長兼教育・安全・環境管理室長の赤井功さんが迎えてくれました。

敷地内を案内されてまず驚いたのがミミズふん土を利用して育てた花の色の鮮やかさ。

比較対象がないのが残念ですが、門外漢でもパッと目を引かれる色彩を放っています。


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そして広大な敷地に山のように積まれたしいたけの廃棄菌床。


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とにもかくにもスケールが大きい!これらをあの小さなミミズたちが餌にするのだと思うと...なんだか途方もない気持ちになってきます。


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高さ1メートルくらいのテントがずらっと並んでいます。このテントの中にミミズが...ためらう私をよそに、佐伯社長の嬉しそうな顔!


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左が餌(廃棄菌床、米ぬかなど)をやった直後、右がしばらく経った土。綺麗にならされて、いかにもふかふか柔らかさそうな土です。この右側にミミズがいると言って、赤井さんが掘り返してくれました。

この中に大量のミミズが...と思うとどうしても少し構えてしまうのですが、掘り返された土を見て驚きました。


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思いのほかかわいらしいのです。よかったそんなに怖くない!実は豊徳のミミズは釣り餌にもよく使われる細いシマミミズとレッドワーム(アカミミズ)を交配させたもの。「堆肥ミミズ」とも呼ばれる国産シマミミズと大量養殖向き、カリフォルニア産のレッドワームのいわばハーフが、栄養たっぷりの土を作っているのです。

ミミズふん土を使うことで、作物の根張りが良くなったり、根コブ病などの病原菌への耐性が強くなったり、作物の成長促進効果、糖度の向上など様々な効果が実証されてきました。さらにミミズは生ごみなどの有機性廃棄物を食べ、リサイクルにも利用することができるそうです。実に頼もしい!「地球の虫」の名に恥じない働き者ぶりに頭が下がります...。

そんな頼もしいミミズも大雨が降ればひとたまりもなく、こぞってテントから逃げ出してしまったこともあったそう。それからは有事の際、ミミズが逃げ込むための山を築いたと赤井さん。赤井さんのミミズに向ける目はわが子へのそれのようにやさしいもので、私の中でもミミズ観?が変化するのを感じました。

 

ひとしきりお話をうかがい、帰る間際改めてずらりと並ぶントを見渡しました。土の中で生きるたくさんのミミズに(その数約500万匹!)、訪問前にはなかった親しみと尊敬の念を抱いて、会社に戻ったのでした。

 


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